ヤツデ(八手)

ウコギ科ヤツデ属の常緑低木である。
切れ込みの深い葉が特徴的。
大きな葉と変わった形の花が面白い。
特別な手入れもなく、初心者にも簡単に育てられる。
また、観葉植物としても楽しめるのでおすすめ。
大昔から魔除けの効果があるといわれ、縁起が良いとされて
庭に植えることも多く親しまれている植物である。

ヤツデは半日陰で湿気のある環境を好む。
直射日光が一日中当たる場所は適当ではない。
乾燥には弱いので、日の当たらない半日陰で育てるとよい。
日光に当たり過ぎると葉焼けになり葉色が悪くなるので、植え場所を選ぶことがポイント。
1日中、日陰でも耐性はあるが、やがて下葉が落ちてヨロヨロとした株になるので要注意。
午前中はしっかり日光が当たり、午後は日陰になるような場所が理想的。
室内でも半日陰の場所なら観葉植物として鉢植えも可能である。

また、夏時期の乾燥に弱いので注意する。
地植えした場合、根がしっかり張るように、植えた時に水をしっかり与える。
その後の水やりは不要である。
鉢植えにした場合は、観葉植物と同様に春から夏は土の表面が乾いたらしっかりと水を与える。

基本的に肥料はほとんど不要。
ただし、施肥すると新葉や新芽の成長が促されて勢いのある枝や葉が出てくる。
地植えの場合、初春の2月~3月に油かすや骨粉を株元に少量施す。
鉢植えの場合、緩効性化成肥料を少量あたえる。
一般的に用土保水には、腐葉土や堆肥を混ぜると水もちがよくなる。
地植えにするときは、10日~2週間前に腐葉土を混ぜておくとよい。

大きすぎる葉がたくさんついた株は、植え込み時に剪定するとよい。
地植えの植え付けに適した時期は、4月~5月頃。
鉢植えは2年に一回、春に植え替えを行う。
鉢から抜いた株は、根土を3分の1ほど崩すとよい。
鉢植えの場合、赤玉土と腐葉土を7:3の割合で用土に混ぜるとよく育つ。

ヤツデには毒性(ヤツデサポニン)があるため、ほとんど害虫は発生しない。
ただし、カイガラムシが発生すると樹液や葉の水分などを吸われて株が弱くなる。
薬剤を散布して発生を抑える、ブラシなどでこすり落とすと退治できる。
カイガラムシが発生したら放置せずに退治すること。

ヤツデはどんな土質でも育つが、湿気の多い環境を好むので保水に注意する。

ヤツデ(八手)
ヤツデ(八手)
ヤツデ(八手)
ヤツデ(八手)