サザンカ(山茶花)

サザンカ(山茶花)

ツバキ科ツバキ属の常緑広葉樹の小高木。
自生しているのは熱帯から亜熱帯地域です。
日本では本州山口県、四国~九州、南西諸島(屋久島や西表島)などに自生しています。
日本国外では台湾、中国、インドネシアなどに分布しています。
山地にも自生していますが、植栽されて庭でもよく見られます。
日本の温帯に適応したツバキやサザンカは、自生地として北限なのは間違いありません。
自生種では花色は、部分的に淡く桃色を添えた白色です。
品種改良された園芸品種の花色は、濃い紅色や桃色・白色や複色など様々な花色があります。
花形は一重咲きと八重咲きで、園芸品種も多数あります。
サザンカの開花はツバキよりも早く晩秋頃に咲き始めます。
晩秋から早春の樹木で、庭木として人気が高く生垣にも多く利用されます。

ツバキ(椿)

ツバキ科ツバキ属の常緑樹の低木~小高木。
照葉樹林の代表的な樹木で、花が観賞されて庭に植えられるほか、薬用や食用にも利用されます。
葉につやがあり厚みもあるので「厚葉木」と書いて、葉の特徴から名付けられたとされています。
「椿」の字は日本が独自に作った文字であり、中国ではツバキは「山茶」と表されています。
数多くの園芸品種が栽培されていますが、海岸近くの山や雑木林に自生している野生種をヤブツバキと呼んでいます。
一般的にツバキと呼んでいる樹木は、ヤマツバキ(山椿)の別名でも呼ばれています。
日本内外で、近縁のユキツバキから作り出された多くの園芸品種などを総称として「椿」と呼ぶことがありますが、
同じツバキ属であっても、サザンカを椿と呼ぶことはほとんどありません。
日本では北海道南西部、本州、四国、九州、南西諸島、日本国外では朝鮮半島南部と中国、台湾が知られています。
北海道の南西部でも寺院や住宅に植栽されています。
自生している北限は青森県津軽郡平内町で、椿山と呼ばれる群落は天然記念物にも指定されています。
樹皮はなめらかで灰色地に灰白色の模様があり、枝はよく分かれて茂ります。
葉は楕円形~長楕円形で、先端は短く尖り、葉縁には細かい鋸歯があります。
葉質は厚く、表面は濃緑色でつやがあり、毛は生えていません。
花期としては冬から早春で、早咲きのものは真冬にも咲きます。
花形は完全には平開しないで、カップ状のまま咲きます。
一般的な花色は紅色または紅紫色で、枝の先の葉腋から下向きに咲かせます。
他には白斑、覆輪、紅白絞りなど品種は多種多様です。
花形は一重咲き品種、八重咲き品種など多くの品種があります。
また、花が散るときは、花弁とおしべが一緒に落花します。
サザンカと見分ける場合、原種は見分け易いですが園芸品種は多様性に富んでいるため、見分けにくい場合もあります。

ツバキ(椿)

街中で見かけるサザンカ(山茶花)、ツバキ(椿)ですが、どちらだか分からないことがありますね。

サザンカ(山茶花) 花びらが、はらはらと散る。
開花期:10月~12月。
葉のふちにギザギザが、しっかりと入っている。
花は平面的で、花びらが平たく薄い。
葉はやや厚みがあり、葉の裏側には葉脈に沿って毛が生えている。
ツバキに比べると、サザンカは花径が小さい。
花は一重も八重もある。
ツバキ(椿) 花首ごと、ぽとりと落ちる。
開花期:12月~4月。
葉のふちのギザギザは、ほとんど目立たない。
花は立体的で厚みがあり、ふっくらとしている。
葉はつやがあって厚みもあり、葉の裏側にはほとんど毛が生えていない。
サザンカに比べると、ツバキは花径が大きい。
花は一重も八重もある。

ツバキ科の植物はチャドクガが食害しますので、観察するときには注意が必要です。
毛虫の成虫がいなくても、脱皮した皮や葉枝に残った毛でも痒みが出ます。
ほんの少し触れるだけでも皮膚に酷い痒みを伴います。
毎年6月~9月頃にサザンカ、ツバキにもチャドクガは発生しますので注意しましょう。
皮膚科の治療が必要な場合もあります。

サザンカ(山茶花)

サザンカ(山茶花)
サザンカ(山茶花)
サザンカ(山茶花)
サザンカ(山茶花)
サザンカ(山茶花)
サザンカ(山茶花)

ツバキ(椿)

ツバキ(椿)
ツバキ(椿)
ツバキ(椿)
ツバキ(椿)
ツバキ(椿)
ツバキ(椿)