ラナンキュラス(ハナキンポウゲ)

ラナンキュラスはキンポウゲ科キンポウゲ属の植物です。
一般的な和名は「ハナキンポウゲ」です。
中近東からヨーロッパが原産地の「ラナンキュラス・アシアティクス」という
原種が改良された園芸品種を表しています。
近年では多くの品種改良が進んで、形や色の変化に豊富な500種ほどの園芸品種があるようです。

たくさんの花びらが幾重にも重なり、華やかで丸く可愛らしい花姿が魅力です。
草丈は30~50cmほどの球根植物。
春の3~5月が開花時期です。
夏時期の高温期には開花はしません。
日当たりと水はけがよい場所を選んで栽培されています。

ラナンキュラスは、ラテン語で「小さいカエル」を意味しますが、
キンポウゲ科の植物に見られる葉の形状がカエルの脚に似ているとの説や
キンポウゲの原種はカエルが住みつく湿地帯によく生えていることなどが由来のようです。

ラナンキュラスの園芸種は中近東からヨーロッパに持ち込まれ、
トルコ系と呼ばれる八重咲き種がヨーロッパで盛んに品種改良が進められ、
その後イランに伝わり改良された品種をペルシア系と呼びます。
草丈が低くて中輪サイズの八重咲きで花色が豊富なペルシア系が、
現在の園芸品種として栽培されたようです。
また、19世紀にはオランダで生まれた改良品種がフランスで改良され、
中輪から半八重咲きのフレンチ系も生まれました。
このフレンチ系を改良した大輪種のピオニー系やアメリカ生まれの品種も
大輪で花色が豊富な改良品種として多く作られるようになりました。

ラナンキュラスは明るく華やかで鮮やかな色の花びらが重なり合い、ふんわりとした丸い花がとても印象的な美しさです。
花びらに触れるとシルクのような滑らかさと華やかな魅力は言葉に尽くせません。
春の訪れを告げる早春のお花です。
厳しく長い冬から暖かな春の喜びを表わすような魅力ある花でもあります。
夏になると地上部は枯れてしまいますが、夏の終わりには球根を掘り上げて、陰干しをして、秋には球根を植え付けると翌春には開花します。
ただし、2回目の植え付けは湿度管理が難しいため、枯れるまでの1年間を楽しむこともよいでしょう。

古くから品種改良が盛んに行われてきたラナンキュラスは、たくさんの園芸品種があり、色々な咲き方や花色を楽しめます。
アネモネ咲き・ポンポン咲き・スプレー咲きのほか、小輪・中輪・大輪など。
また、豊富な花色で赤・ピンク・黄・グリーン・白・複色まで数多くあります。

日当たりと風通しのよい場所が大好きな植物です。
鉢植えの場合、北風を避けられる、雨・雪・霜も当たらない軒下などに場所を移動させましょう。
暖かくなると葉も出てきて草丈も伸びます。
苗を植え付ける場合、霜が降りる時期は地植えしません。
植え付ける場所に、堆肥・腐葉土などを混ぜ込んで、苦土石灰を施しておくことをお勧めします。

生育に最適な気温は5~20度。
高温多湿は苦手です。
涼しくて乾燥した気候を好みます。
また、とても寒さが苦手な植物ですが、暖房の効いた室内は苗にはよくありません。

球根は寒さを認識することによって花芽を形成するので、球根は5度以上で冬越しさせましょう。
霜に当てないようにして、冬期は軒下などの戸外に置いて、厳寒期のみ寒くても乾燥した場所で管理するのがよいでしょう。

ラナンキュラスは球根か苗で購入するのが一般的です。
球根は品種別に販売されています。
購入するときは重さがあり、カビや傷がないものを選びます。
球根は水はけがよい栄養豊かな土壌を好み、酸性の土壌を嫌います。
土壌改良する場合は赤玉土5、腐葉土3、ピートモス2など配合した土に苦土石灰を少量、緩効性化成肥料を少量ほど混ぜて植え替えしましょう。

球根は完全に乾燥させた状態で販売されているため、土に植え付ける前に吸水処理を行う必要があります。
吸水方法は湿らせたバーミキュライトなどで包んで、一晩そのまま置きます。
球根を湿らせたバーミキュライトと一緒に入れて、上から霧吹きで水をかけると吸水します。
吸水させるときは、水に浸ける時間が長すぎるとカビが生えるため注意しましょう。
ラナンキュラスの球根が吸水して膨らんだら、土に植え替えしましょう。
苗の植え付けは根鉢を崩さないように気をつけて、元肥を混ぜ込んで植え付けします。
植え付け後は、しっかりと水を与えます。

また、花びらの数が多く、つぼみと開花後の花色が違って見える場合もあります。
苗は葉が多く茂ってきれいな緑色で、つぼみがたくさん付いている苗を選びましょう。
1~3輪ほど開花している苗を購入することをお勧めします。
開花が進んで花が終わったら、早めに花ガラを摘み取りましょう。
また、花茎を株元まで切り戻しておきます。
枯れた花をそのままにするとカビや病害虫の原因となるので注意しましょう。
開花後は、花に水がかからないように水やりしましょう。

ラナンキュラスは球根植物の中でも比較的長期間、花が咲きます。
利用価値が比較的に高い球根植物です。
また、切り花にして楽しむこともできます。
開花後は枯れた花を摘み取り、葉が黄色くなったら球根を掘り上げて洗って乾燥させ、冷暗所で管理します。
翌年の開花を楽しむために掘り上げた球根は、通気性のよい新聞紙などで包むとよいでしょう。

今年の秋には、どの種類のラナンキュラス球根を植えようかな?

ラナンキュラス(ハナキンポウゲ)
ラナンキュラス(ハナキンポウゲ)
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