フジ(藤)の花

フジの花はマメ科フジ属です。
原産地は日本の本州、四国、九州、沖縄に自生しています。
4月中旬から5月上旬に紫色の長く垂れ下がる穂のような花序を咲かせます。
花色は白、ピンク、紫色。

落葉性つる性の花木で園芸品種は多数あり、世界各地で多く植えられています。
ノダフジのつるは右巻き(時計回り)で、ヤマフジは左巻き(時計回りと反対)なので、
区別がつきます。
つるは地表を匍匐して成長する特徴があります。
支えとなる樹木の高さによって、地表から10m以上も匍匐することがあります。
耐寒性・耐暑性ともに普通であるが、関東以西ではほぼ枯れません。
形付けしやすく盆栽に向く傾向があります。

日当たりのよい場所を好みます。十分に枝葉を成長させて育てます。
やや湿り気があり通気性のある砂気質の用土が適しています。
庭植え、鉢植えともに土の乾燥は生育を弱め、花つきを悪くするため、
水切れには十分注意しましょう。
寒時期は堆肥など有機物を混ぜたものを株まわりに溝を掘って施します。
花後のお礼肥には株回りの溝に油かすを施します。

こぶ病は枝や幹に発生し、突起から大きなこぶ状になる病気です。
また、こぶになった罹病部を削って殺菌剤を塗布する方法もあります。
葉に茶色や褐色の斑点ができる斑点病が発生することがあります。
発生を避けるためには、風通しをよくして重なった枝葉を剪定するとよいでしょう。
マメコガネ、マメドクガ、ミノガ類は葉を食害します。
カイガラムシ類、カメムシなどが樹液を吸汁します。
フジノキクイムシは幹に穴をあけて食害します。
発生を確認したら、殺菌剤や殺虫剤で防除しましょう。

用土には黒土に堆肥や有機質を混ぜて、通気性と保湿性のために川砂や鹿沼土を適量配合します。
入手した苗は、根先を傷つけないよう注意して植えつけます。
フジは根を切断してしまうと弱りやすいため、移植など植え替えのときには丁寧に根の先端の細い根まで掘り上げることがポイント。
長く伸びた根は根元にゆるく巻くようにして植えつけます。
鉢植えは、2、3年に一回植え替えましょう。
花つきをよくするには、花が終了したあと5月下旬から6月に花ガラ摘みを行います。
今年伸びた新梢を1mくらいの長さに剪定します。
また、7月中旬過ぎに枝を充実させるために間引き剪定を行いましょう。

さて、あの美しい紫色の穂は今年も見られるでしょうか?

フジ(藤)の花
フジ(藤)の花
フジ(藤)の花
フジ(藤)の花
フジ(藤)の花
フジ(藤)の花
フジ(藤)の花
フジ(藤)の花
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